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「自閉症だったのはボクかもしれなかった」

  • 2012/07/12(木) 10:00:00

数日中に連番が出そうです。
カウンター1,234,567を踏んだ方、証拠画像を送ってください。
なんか出ます。



本日から日曜までダンナの上の妹さん一家が来訪します。
なので数日ネットから遠ざかります・・・
一応毎日自動更新予定ですが、訪問、コメントのお返事など遅れるかもしれませんので宜しく。


先日こんな本を読みまして。

House Rules by Jodi Picoult
HouseRules.jpg

概要:
自閉症の高校生ジェイコブの家庭教師だった若い女性が死体で発見され、ジェイコブが犯人と疑われる。ジェイコブは「ボクは殺していない」と言うが、状況は不利。逮捕され、裁判にかけられる。「普通」の兄を持たないことで常に苦労し、友達もできずナナメに育ってしまった弟のセオ。この事件のため仕事をなくし、経済的にも社会的にも追い詰められるシングルマザーの母。孤独な家族はこの修羅場を乗り切れるのか。


他にも、刑事、弁護士などが出てくる。

話は数人の登場人物それぞれの視点から語られ、進められていく。

その中で、弟セオの視点から書かれていたこんな場面がある。

セオは便宜上ここでは「僕」とする。

「僕」は9歳のとき、自閉症の兄弟姉妹が集まるグループセラピーに参加させられた。

そのグループには同じく9歳のスティーブンがいた。

スティーブンの双子の兄弟ハリーは重度の自閉症で、言葉も喋れず未だにオムツをしている。

セラピーで、1人ずつ順番に「自閉症の兄弟を持って嬉しいことと嫌なこと」を話し合っていたとき。

ドアが開き、ハリーが走ってきてスティーブンの膝に座った。
その臭いからオムツを換えなければいけないことは明白だった。

双子の母親がドアから顔を出し、
「ゴメンなさい、ハリーはスティーブンにしかオムツをかえさせないの」
と言った。

「僕」はスティーブンに同情したが、スティーブンは恥ずかしがりもせず怒りもせず(「僕」なら絶対そうなった)、笑ってハリーにハグをすると「行こう」と言ってハリーの手を引き、彼のおむつを代えに部屋を出て行った。

休憩時間に「僕」はスティーブンに話しかけた。

「どうやったらそんなに落ち着いていられるんだ?」

スティーブンは何でもないことのように言った。

「(自閉症だったのは)ボクかもしれなかった」


この部分を読んだとき、後頭部をフライパンで殴られたようなショックを受けた。

自閉症児と関わるとき、たいていの人は
「面倒くさいなあ」
「どうしてワタシが」
と思ってしまうだろう。

親であっても時にはイライラしたり自分の立場を哀れんだりしてしまうのだから。

だけど、もし自分が自閉症の立場だったら?

周りの人につらく当たって欲しいわけが無い。

夏休みで、一緒に居る時間が長くなると、どうしてもぶつかってしまうジョーイとジャック。

新年の革命」で「ジョーイにもっと優しくする」と誓ったジャックだが、最近忘れかけ。

相変わらずぶつぶつ独り言を言ったり意味不明な音をたてるジョーイにキレまくる日が続いていた。

そんなジャックにこの双子の話を聞かせた。

ジャックはちょっと考えてからこうのたまった。

「よかった、ジョーイはオムツしてなくて。」

いやいやいや!
そーじゃーなくてー!!

penguinpaniclg.gif

解っとんのか?

後日談。

チビどもにランチを食べさせる間、ワタシが庭仕事していたとき、ジャックはジョーイの飲み物を準備したりテーブルにこぼれたジュースを拭いてやったりと色々世話をやいてくれたそうだ。

ありがとうねと言うと、

「双子じゃないけど、兄弟だから。
ボクだったかもしれないしね。」


とサラっと言ってのけた。

そうか、話のポイントはちゃんと解ってたんだな。

この本は、アスペルガーであるジェイコブの視点から書かれている部分が大変興味深い。

心を落ち着ける為にフィボナッチ数を復唱したり、何かを考察するときは箇条書き(?)で考えたり、何を言っていいか解らないときは映画の台詞を引用したりする。

そして、人が悲しいとき笑ったり嬉しいとき泣いたりするのが理解できず、自分がいかにこの世界で異星人のように感じるかなどが彼自身の言葉で綴られている。(それも箇条書きだったりする。)

もちろんこれはフィクションなのだが、著者は自閉症について随分詳しく調べたんだなあと感心する。

一応話の中で人が死んでるし、捜査や逮捕や裁判などがなされるので、ミステリーかサスペンスに区分されそうだが、この小説はあくまでも事件を通して語られるこの家族の愛憎、葛藤、そして一丸となって出口を模索するファミリードラマだと思う。

日本語版は出てませんが、洋書はAmazonで買えます。

おススメです♪

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この記事に対するコメント

うん・・・・

>「(自閉症だったのは)ボクかもしれなかった」
深い。
深すぎる。。。。

「フィクションでなければ伝えられない事実」という言葉があるのは知っていても、なかなか。

そんなことよりジャック君、ひょろいけど、いいやつb

  • 投稿者: レッサーパンダ
  • 2012/07/12(木) 10:48:58
  • [編集]

ん~良い話です。購入検討します!楽しいひと時を!

  • 投稿者: chii
  • 2012/07/12(木) 11:11:30
  • [編集]

ボクだったかもしれない・・・そう言う風に考えられるのは本人の精神の訓練の賜物なのか、それともある時ふとそう思ったのか・・・。

朝からちょっと考えさせられちゃったなぁ。

  • 投稿者: さくら母ちゃん
  • 2012/07/12(木) 16:52:20
  • [編集]

考えさせられました。

スティーブン君にとってそれがお兄さんで自閉症だからとか関係無いんでしょうね…
素敵な話やなぁ…
英語やなかったら読んでみたいです。
って英語の勉強出来るかも!
しかし~!四十路の脳みそでは頭から煙が出るかしら?
それも困るしなぁ。
和訳出たら考えよっと。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
怪人姐さんッ!
お勤めご苦労様です!
コメレスは気になさらず素敵なおもてなし頑張っ!
お帰りをお待ち申し上げております。

  • 投稿者: べっつぃ
  • 2012/07/12(木) 20:21:14
  • [編集]

ジャック先輩………
オバチャン、涙でそうになっちゃったよ。
当事者でも家族でもない私が何かを言うのはお門違いだと思うので、これだけ。ジャック先輩は間違いなく心根の良い人に育ってますねえ。

その本、読んでみたいなあ。日本語版、でないかな…

  • 投稿者: ふうりん
  • 2012/07/12(木) 23:25:39
  • [編集]

『僕だったかもしれない』…深すぎる言葉ですね。
誰もが一度は経験をしている生き辛さ・やりにくさ。
発達障害者は常にその中に活きているのだと改めて
感じます。
今朝ね、横浜の金沢区で発達障害児がクラスメートに
苛められ、学校に親も対処を依頼したのに結局無策で
そのお子さんはパニック症状やリストカットをやろう
としたり…にまで追い詰められていた為に転校したの
だというニュースを読んだのです。
学校は『発達障害への理解がなかった』とほざいたとか(怒)
日本の教育現場にこういう本が常備されると良いなぁ。

  • 投稿者: 瀬津喩
  • 2012/07/13(金) 03:53:53
  • [編集]

うわ〜、この本絶対読みたい!
「自閉症だったのはボクかも知れなかった」この言葉、深すぎる。

Jodi Picoultって有名ですよね。
私この人の小説はまだ読んだことなかったけど・・・この本は図書館で探してみようと思います〜

怪人さん、本の紹介どうもありがとう^^

  • 投稿者: くまこ
  • 2012/07/13(金) 04:16:59
  • [編集]

Jodi Picoultの文書力と洞察力にはいつも感心しますが、最後の章にどんでん返しがあって、そこで奈落の底へ突き落とされた気分になるので、ここ数年読んでいません。この本は読んでいないのですが、読んだらまた突き落とされそうな..複雑な心境です。

  • 投稿者: GambaMinnesota
  • 2012/07/13(金) 14:19:36
  • [編集]

まとめてコメ返し

義妹一家がカリフォルニアに帰って通常運転に戻ります。

世の中に、どうしてワタシが、と思うことはたくさんあると思うのですが、視点を変えるだけで自分の態度が改められることもよくあると思います。自分に厳しく、他人に優しい人間になりたいと願います。

GambaMinnesotaさん、この本はドンデン返しなし。というか、本人はきっとドンデン返しのつもりで書いたのでしょうが、途中からオチが見えちゃってます。突き落とされはしないと思うので、どうぞトライしてください。

  • 投稿者: 怪人
  • 2012/07/16(月) 09:50:37
  • [編集]

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